「オンカジは絶対にやめておけ」と言われたところで、オンカジを簡単にやめてくれるようなやつはほとんどいない。
そう言われただけで「ハイ、そうですね!」といってオンカジをすぐにやめてくれるならば、もちろんそれに越したことはないのだが、そうでないから、オンカジきっかけでの借金生活者や被害者の数が増える一方なのである。
かくいう俺も、いまでこそオンカジの問題点であるとか恐怖などを身をもって知っているから「オンカジやめておけ」と言えているだけでしかない。
何も知らない状態だったころの俺が「オンカジやめておけ」と言われていたとして、はたしてオンカジをちゃんとやめられていたかどうか、心もとないところがある。
それを理解したうえで、それでも俺は「オンカジは絶対にやめておけ」ということを言い続けているのだし、本当にやめてほしいのだが、今回は、それでもオンカジをやりたいと思ってしまうやつに向けて、少しでも「破滅」から距離を置くためのアドバイスを書いていこうと思う。
オンカジのクレジットカード利用者は破滅の末路
近年は電子マネーなどの普及もあってクレジットカードの支払いがどんどんスタンダードになっていると思うが、クレジットカードでの支払いに慣れているタイプは、オンカジで破滅しやすいから注意が必要だ。
かくいう俺も、サブスクも通販も交通機関も、日常的なコンビニなんかも、ぜんぶクレカに紐づけして電子マネーで支払うことが日常になっていて、案の定、オンカジのクレカ支払いで破滅した典型的なパターンだった。
クレカ支払いってのは「現金」のリアルな感覚をかなり希薄にするから、オンカジと組み合わさったときに、ほとんど悪魔的な金銭感覚のマヒを引き起こす。
オンカジはスロットにせよライブカジノにせよ、あっという間に高額の金が溶けていく場所なんだが、クレカ支払いでオンカジを遊んでいると、自分の金が溶けているという感覚がつかみにくい。
諭吉2桁ベットが平気な賭け方になってる、なんてのも、自分の手元に実際の諭吉があったならば、おこりえないことだと俺は思う。
クレカ入金をした瞬間にすでに借金は始まっている
オンカジでもしクレカ入金をしたならば、その時点ですでに「借金」がはじまっていると考えたほうがいい。
クレカに紐づけられている自分の銀行口座の残高にある程度の余裕があって、まだカードキャッシングをしていない、という段階であっても、それがクレカ入金である時点で「借金」だ、と考えるくらいじゃないと危険だ。
クレカは「元気の前借り」みたいなもんでしかなく、そもそも自分の本当の経済力の限界をはじめから超えている「架空のお金」でしかない。
オンカジには入金自体避けてほしいところだが、もしどうしても入金しなければいけないというのであれば、クレカ入金ではなく「現金」で振り込んでもらいたい。
で、使える「現金」が底をついたなら、そこがオンカジの「やめどき」で、それ以上の入金は絶対にやめたほうがいい。
「クレジットカードの限度額」というシステムは、買い物中毒なんかでも自己破産するような危険なシステムだから、オンカジと組み合わさったら、破滅までは一瞬だ。
すでにある借金をオンカジで返済しようとするな
すでにいくばくかの借金を抱えていて、その借金の返済のためにオンカジをやる、というようなことは絶対にやめておけ。
借金じゃなくても、ローンや奨学金の返済など、定期的な支払いがつねにあるような人間は、そもそもオンカジとは絶対に関わってはいけない。
言うまでもないが、これは「ローンや借金がないから俺はオンカジと関わっていいんだ」ということを書いているのではない。
借金もローンもないのであれば、借金持ちと同じくらいオンカジはやめておいたほうがいい。せっかくなかった借金を背負い込むだけになるのだから。
俺はいまオンカジで抱えた500万円の借金を必死になって返済しているが、オンカジを始めたときは、借金はナシ、車のローン有だった。
それが、いまではローンに加えてオンカジの借金が増えて、毎日が火の車。血反吐をはくような日々を過ごしている。
ノルマ感覚でオンカジをプレイするのはきわめて危険
借金やローンがある状態でオンカジをやると「最低でもこのくらいは勝たなければ」というノルマ感覚が発生することがあり、ノルマ感覚がある状態でプレイするオンカジはきわめて危険だ。
借金やローンというのは地道な労働でコツコツ返していくものだということを、俺もオンカジで借金地獄に突入するまでわかっていなかった大バカ者なのだが、俺の失敗の一つとして「トラックの月々のローンの分だけはオンカジで勝たなければならない」というノルマ意識があったことは挙げておきたい。
オンカジにおいてもっとも避けなければならない思考の一つに「最低でもこのくらいは勝たなければいけない」という考え方である。
本来は、自分の目標額に到達していようがいまいが、オンカジからは足を洗うべきなのだが、借金やローンってのは「目標額」となって、オンカジのプレイスタイルを左右してしまう。
もちろん「トラックのローンの分だけは絶対に勝ちたい」というノルマ感覚がなかったとしても、俺はオンカジの借金スパイラルからは逃れられなかったとは思うが、俺自身の体験を通して「目標額の設定」と「ノルマ感覚」はとにかく危険だということは断言できる。
オンカジには絶対に依存しないという強い自信を捨てる
まだオンカジで遊んだことがなくて、もし「自分は絶対にオンラインカジノに依存しないはずだ」と考えているのであれば、その「依存」に対する強すぎる自信はいますぐに捨ててしまうことをオススメする。
誰もがみな「オンカジに依存してしまう」可能性を持っていて、絶対なんてことはありえない、ということを強く言い聞かせてほしい。
むしろ「自分はギャンブル依存とは無縁だろう」と考えていた人間のほうが、オンカジに飲み込まれて依存症になるパターンのほうが多い、ということは知っておくべきだ。
俺自身、もともとは軽度のパチスロ好きであったから「自分はある程度はギャンブルに対して耐性があって、依存症にはならないだろう」という過信をもっていた。
だが、オンカジの怪物性はそのような俺の過信を簡単に粉々にできたし、なまじっか自信がある人間ほど明らかな依存症になったときでも「自分はまだ依存症ではない」と言い聞かせて、ますますオンカジにのめりこんで、借金を増やしてしまう傾向がある。
「自分は強い意志を持っている人間で、あらゆる依存症とは無縁だ」と考えているような自信が強いタイプは、負けが重なってきてからの賭け方が、感情的で無謀になりがちだことも指摘しておきたい。
オンカジ依存症を意志の問題にするタイプは危険である
オンカジ依存症がかなり落ち着いた俺の現在の感覚では、他人の依存症に対して厳しい態度をとり「あいつは意志が弱い」などと決めつける、自称「意志が強い」タイプは、依存症を「意志」に還元している時点で、相当あやういと言わざるをえない。
俺には、自分自身の社会復帰のために、依存症についていろいろ調べていた時期があった。
そこで読んだ、ある著名な精神科医がアルコール依存症について書いた文章のなかで「タバコ一つやめるのにも苦労した人間だからアルコール症の人を意志が弱いとは到底思わない」「私はアルコール症の人より自分のほうが『意志が強い』なんて思ったことはない」と書いていたことが印象的で、オンカジの依存症のこともそれを基準に考えるようになった。
ちなみに、タバコやアルコールの依存症から抜け出す瞬間というのは「意志」とは関係なく「酒やたばこを身体が受け付けなくなる、酒やたばこに見放されるとき」に依存症から抜け出せることが多い。
俺は、オンカジの依存症も「オンカジから見放される瞬間」に抜け出すものだと考えていて「意志」ではなく「資金の限界がきてもう賭けられなくなる状態」だけが依存症を止めてくれるものだと考えている。
理想は「自分はオンカジに依存してしまうかもしれない」と考えたうえで登録を避けることだが、もし登録するならば「自分の意志は弱い」と言い聞かせたほうがいい。
オンカジをいつでもやめられるように準備しておく
どうしてもオンラインカジノに登録したいというのであれば「どうしたらオンカジをやめられるか」をあらかじめ知っておき、いつでもオンカジから足を洗えるように備えておこう。
とにかく、オンカジは「引き際」が肝心だ。「あ、これ以上は危ないな」とわかったなら、すぐにでもオンカジから足を洗ったほうがいい。
とはいっても、多くのオンカジプレイヤーは「これ以上は危ない」とわかっていて、しかも「やめかた」を知っていても、そのまま借金地獄への道を突き進んでしまう。
破滅への道を進んでしまうのは「勝てば取り戻せるかもしれない」という諦めの悪い感情があるためだ。
「勝負から降りることができない」というのは、おそらくオンカジにおいてもっとも危険な考えである。
やめかたの知識ではなく勝負から降りる勇気を持つ
「どうしたらオンラインカジノがやめられるのか」の準備、その「どうしたら」は、知識としての「やめかた」ではなくて「勝負を降りる勇気を持っておく」ということに尽きるだろう。
もちろん「オンラインカジノに登録しない」という選択こそが「はじめから勝負から降りている状態」でもっとも好ましいということは言うまでもない。
俺が一貫して「オンカジは絶対にやめておけ」と言っているのは「つねに勝負から降りていろ」という呼びかけなのである。
ここまで読んでなお、まだ「オンカジに登録したい」というのであれば、俺から言えることも、力になれることも、もう何もない。
だが、最後にもう一度だけ、俺の魂からの言葉を書き記すことを、どうか許していただきたい。
オンカジは、絶対にやめておけ。以上だ。